小規模なオンラインワークショップの裏側(音響機材とか無い部屋を借りた時の話)

なんかIT系の勉強会のイメージが強い@clonekoさんですが、FAJ(日本ファシリテーション協会)沖縄サロンっていうところの運営委員とかやってたりしてます。

だいたい毎月1回例会をやっていたりするんですが、今回は『ライフヒストリー曼荼羅ワークショップ 第2ステージ』~"for"から"as" ファシリテーターのワークショップへ~という形の内容をやりました。内容ももちろんすばらしかったんですが、今回は(多分沖縄サロンでは)はじめての試み?として別の拠点とインターネットでつないで例会を行なうというチャレンジを行ないました。

今回のオンラインワークショップの「沖縄側」の感じとしては

  • 参加者10人くらい
  • 基本的には東京のインストラクションを聞いて沖縄側でもワークをする
  • 東京と沖縄の同時コミュニケーションはふりかえりのタイミングくらいでワーク自体はそれぞれの拠点で完結する
  • 会場と会場を繋ぐ(各拠点の各個人間を繋ぐわけではない)

な感じです。

今回使用した会場のまりりんぎのわん 研修室・大の特徴として

  • そこそこ高速なWiFi環境(誰も使ってない時でUp/Down共に80Mbps程度出る)
    • オープンなネットワークなのでセキュリティ的な問題はある
    • 室内にRJ45の口があるけど使えるかどうかはスタッフもわからないとのこと
  • 音響機器(マイク・スピーカー)が無い
    • 隣の研修室にはあるっぽい
  • プロジェクター/スクリーンは借りれる
    • けどスクリーンはスタンドが壊れてるっていってた

といった感じでした。

そして今回の例会ではzoomという会議システムを使って東京・沖縄間のコミュニケーションを取ったのですが、オンライン会議システムなので

  • インターネット接続
  • 音声のI/O
  • 動画(カメラ&スライド)のI/O

が必要になってきます。

会場で期待できるのはインターネット接続と動画のOutであるプロジェクターなわけですが、とりあえずプロジェクターは沖縄サロンとしてもってるのがあるのでそれを使用しました。

あと解決しないといけない音声のInputとOutput、動画のInput(ようはカメラ)をどうするか。今回の事例の話を書いていきます。

あ、マシンは普通のMacBook Pro(Late 2011)+El Capitanですが、Windowsでも同じ構成組めるはずです。

一応こんな感じ。

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音声のInput/Output

MacBook Proのスピーカーとマイクでそこそこ広い部屋をカバーできるわけもなく、またそれなりの音量出すと漏れなくハウリングを起こすので、それっぽいマイクときちんとしたスピーカーをミキサー通して構成しました。

あと東京会場側の音声も当然スピーカー経由で出さないといけない&沖縄側のマイクで拾った音を東京会場に送らないといけないので、MBPとミキサーを繋がないといけません。

とりあえずマイクはCUSTOMTRY カスタムトライ ダイナミックマイク CM-2000 (マイクケーブル付き)を使用しました(Amazonで1500円くらい)。マイクにオンオフスイッチがついてて、(ちょっと貧弱そうだけど)5mのケーブルがついてたのでとりあえずこれで。って感じでした。

CUSTOMTRY カスタムトライ ダイナミックマイク CM-2000 (マイクケーブル付き)

CUSTOMTRY カスタムトライ ダイナミックマイク CM-2000 (マイクケーブル付き)

 

スピーカーは沖縄サロンのメンバーが持っていたBose SoundLink Mini II。小さいけど会議室とかレベルであれば全然クリアに聞こえる音量/音質で流石Boseだと思いました。

ミキサーはYAMAHA ウェブキャスティングミキサー3チャンネル「初音ミクおためしセット」AG03-MIKUを使いました。

普通のAG03(初音ミクとか付属してない普通のデザイン版)でええやんと思ったんですが、購入当時ちょっとAG03-MIKUのほうが安かったのと、AG03がAmazon.co.jpでの販売ではなく(サウンドハウス via マーケットプレイス)、送料がかかったので安かったAG03-MIKUを購入しました。 (この記事執筆時点ではAG03もAG03-MIKUもAmazon.co.jpでの販売があり、値段も同じ)

この機種を選定した理由は

です。

USBオーディオインターフェイスつきのミキサーも他のメーカーからも出てるんですが、安い価格帯(〜1万円代前半)のものだとUSBオーディオループバックができなかったので。あと安心と信頼のYAMAHA

そもそも今回は東京の登壇者の声を聞いて沖縄から声を返すだけなのでUSBオーディオループバック自体は不要なのですが、今後沖縄側がホストになった時にPCの音声も一緒に投げたくなることがありそうだったのでUSBオーディオループバックができる機種を選定しました。 MacだとSoundflower使ってもにょもにょすればできるんですが、ま、めんどくさいしいいか。と(Windowsでもそのままできるし)。

音声側はこの構成で特にトラブることもなくクリアな音声を東京にも沖縄にも届けることができました。

動画のInput

動画のInputは普通のWebカメラです。

iBUFFALO マイク内蔵200万画素WEBカメラ 120°広角ガラスレンズ搭載モデル BSW20KM11BK

iBUFFALO マイク内蔵200万画素WEBカメラ 120°広角ガラスレンズ搭載モデル BSW20KM11BK

 

広角なので余裕で会場全体を撮ることができます…が、広角なので一人の人が喋ってる時に大きく見せたい。といった用途には合いません。あとマニュアルフォーカス(レンズの縁を回してフォーカス合わせる)が非常にやりにくい(物理的に回しづらい)。別にオートフォーカスいらないし、今回の用途しては十分でした。

この構成組んでみて思ったこと

Keep

  • 接続がシンプルなのでわかりやすい
  • 最新版のMac/Win(OSの話)でもトラブルなく対応できた
    • Mac側は特にドライバーのインストールとか無くても大丈夫だった(WindowsはAG03のドライバー入れないといけないっぽい)。
    • USB3.0MacBookとかだと上手くAG03が動かないとかあるっぽい?
  • 会場の機材使わなくても全然問題なかった
  • この辺の機材をAG03-MIKUを買った時のAmazonダンボール箱に全部突っ込んで運搬できる(AG03とかマイクとかは箱から出した状態でだけど)。
  • ミキサーとスピーカーの性能が偉大

Problem

  • AG03-MIKUはUSBオーディオインターフェイス単体として見たらデカすぎる。
    • 会場のマイク・スピーカーが使えてそれとやりとりしたいんならこんなごっついの要らん(当然だけど会場側にちゃんとI/Oのインターフェイスがあることが前提ですが)
  • AG03-MIKUはマイクの入力が1系統だけなので、2系統ほしければ上位機種のAG06にする必要あり。
    • といっても値段も3000〜4000円アップくらいで買えるので余裕があるなら最初からこっち買っちゃうっていう手もありだと思う。

Try

  • イベントのホスト側になった時の構成をちゃんと組めるか検証
  • AG06を使ったマイク2系統必要な規模のイベントやってみる

実のところ1年ほど前にワールドカフェ20周年記念イベントの時にもっとファットな構成(YAMAHAのポータブルPAを使った)を組んだ時のイメージのミニチュア版で機材選定した感じです。 ポータブルPAUSBオーディオインターフェイスがあればそれで十分なんですが、いかんせん機材置き場が無いのとお値段がアレ(今回のイベントのために購入するには高すぎるけど以降いろんなところで使うっていうなら十分購入する価値はあると思う)なので、もしこういったイベントをやるような予定があるのでしたら、こんな構成でいけるっすよーっていう参考資料になればなーと思います。

ミキサーとマイクで1万5000円くらいなんで全然手が届くお値段だと思います。

イベントの内容についてはどこかにレポートが出ると思うのでそれを期待しておいてください(

追記

東京会場の技術の方が東京会場の機材について書いているので合わせて読むといいかも

Web会議システム ZOOMを使ってオンラインワークショップを開催してみた

あと写真にiPadが映ってますが、iPadではベルを鳴らすアプリが動いていて沖縄から何かいいたいことがあった時にベルを鳴らすためだけにミキサーにつながっています(あとBGM鳴らしてたりもしてたけど)。